
カリグラフィー辞典
カリグラフィーとそれにまつわる分野の用語を説明するページです。
それぞれ英語、フランス語も載せてますので、文献や資料探しに役立ててください。
X-ハイト
x-height/hauteur d'x(f.)
文字の高さを指し、“a”、“e”、“o”のように上下に突き出ない文字の本体の高さのことを指す。カリグラフィーではペン先の何個分で高さを測る、ペン先5個分はX-ハイト5のように使用する。
デセンダー
descender/hampe(f.)
“g”、“p”、“q”のように下に突き出る部分を指す。
ハーフアール
half r/demi r
“b”、“o”、“p”など丸い文字がrの前にくる場合に使われるrの一種の変形。
アセンダー
ascender/haste(f.)
“b”、“h”、“k”のように、文字の上に突き出る部分を指す。
ニブ
nib/plume(f.)
カリグラフィー用のペン先のこと。先がとがっているポインテッドとマーカーのようにある程度横幅のあるブロードの2種類に分けます。
ロングS
long s/s long
古い時代によく使われていたsの変形。fに横線がないかたちをしている。過去では語尾にのみ私たちが見慣れた通常のsを使い、そのほかはすべてlong sが一般的
フォリオ
folio
写本のページのこと。ラテン語で葉っぱのこと。fol.と省略されることも。紙の裏と表で1葉(1 folio)。さらにrectoとversoに分かれる。詳細はrectoとversoの項目を参照。
recto
写本のうちの1葉の表、つまり右側の
ページのこと。日本の製本とは向きが逆のため、右側を最初に見るページとしている。省略され、書かなことも多い。
セリフ
serif/serif(m.)
文字につく小さな飾りや線のこと。形はさまざま。セリフがつく文字が通常伝統的で、フォーマルとされることが多い。セリフがない文字をサンセリフと呼ぶ。
スペーシング spacing/interlettrage(m.)
文字の間隔、余白を指す。間隔を同じようにすることをスペーシングの調整といいます。
verso
写本の1葉の裏、つまり左側のページのこと。めくったページの裏側のこと。写本では何も書かずに空白とする場合も多い。ゆえに写本ではページではなく、
1葉で数える。
リガチャー
ligature/ligature(m.)
2つの文字がつながって、1つに合わさった文字。合字とも言う。
ヘアライン
hairline
文字の一番細い、髪の毛ほどの細い線のこと。カリグラフィーのほとんどの書体では細い線を出すことを美しいとする。
ギルディング
gilding
金箔や金泥などを取り扱う技法の総称。
ガッシュ
gouache/gouache(f.)
水彩絵の具の一種。不透明水彩ともいう。通常の水彩と比べ色がマットで透けにくい。カリグラフィーでは水に溶いてインクとして使う。
フローリッシュ
flourish
ストロークからのびるもしくは宙に浮かぶ飾りのラインのこと。文字の一部とはみなされないことが多い。flourishingともいう。
イルミネーション
illumination/enluminure(f.)
写本などに施される細密画や飾り文字を含めた総称。金箔や金泥など黄金を取り扱うことが多いため、(本が)光り輝くと呼ばれるようになった。
フィリグリー
filigree/filigranes(m.)
文字の周りに細やかで緻密に配置された細い装飾的な線のこと。

