アーカンサスストーン
Arkansas stone/
pierre d'Arkansas(f.)
アメリカアーカンソー州で採れる石で、研ぎ石として使われる。ペン先のニブ(特にポインテッド)は時間がたつと少しずつ丸くなっていき、細い線が描けなくなってしまうので、シャープなラインを長く保つためにニブを研いだりする。
アセンダー
ascender/haste(f.)
“b”、“h”、“k”のように、小文字の上に突き出る部分を指す。この突き出る部分があるアルファベットはアセンダー文字と呼ぶ
イルミネーション
illumination/enluminure(f.)
写本などに施される細密画や飾り文字を含めた総称。金箔や金泥など黄金を取り扱うことが多いため、(本が)光り輝くと呼ばれるようになった。
葦ペン
reed pen/calame(m.)
アシの茎を削って作るペン。アラビア書道でよく使われるが、カリグラフィーでも使用することがある。茎が太く、厚い品種のアシで作る。代わりに竹を使うのも可能。
アンパサンド
ampersand/esperluette(f.)
アンドマークのこと。さまざまな書き方があり、英語ではかつてandの代わりに文章に組み込むことも一般的だった。ラテン語だとetと綴る。
ウェイト
weight
文字の高さと横幅の比率のこと。比率を変えることでコントラストが生まれ、見え方が変わる。
ヴェラム
vellum/vélin(m.)
仔牛の羊皮紙のこと。羊皮紙は通常 ひつじのものが多いですが、仔牛の羊皮紙は白く、なめらかで、一番高価で品質が高い羊皮紙とされる。
エスツェット
eszett/eszett(m.)
ssが一つのリガチャーとなった形。左側はロングs、右側は筆記体のzの形をしている。ドイツではよく見かける。通常小文字のみ。
オートマチックペン
automatic pen/automatic pen(m.)
幅が広いものや複数の線が一気に書けるペン。通常のカリグラフィー用のペンはペン先とペン軸に分けられるのに対して、オートマチックペンは一体化しているものが多い。
ヴェルソ
verso
ラテン語で裏のページのこと。つまり写本で左側のページのこと。写本では何も書かずに空白とする場合も多い。
X-ハイト
x-height/hauteur de la portée(f.)
文字の高さを指し、“a”、“e”、“o”のように上下に突き出ない小文字の本体の高さのことを指す。
オープンカウンター
open counter/ouverture(f.)
カウンターはアルファベットの内側の余白のことだが、オープンカウンターはCなど完全に閉じていない余白をのこと。
カーペットページ
carpet page/page tapis(f.)
幾何学模様などで埋め尽くされたページで、7、8世紀頃のケルト写本ではよく写本の冒頭に現れる。「ケルズの書」のカーペットページが有名。
飾り文字
illuinated letters/initiale décorée(f.)
段落の最初などに現れる大き目な装飾が施された文字。数行にまたいで描かれ、金箔つけたり細密画などで装飾される。現代でもその名残で印刷物に数行またいだシンプルな大文字を1つ段落の始まりに着けることはよくある。
ガムアラビック
gum arabic/gomme arabique(f.)
水彩絵具などに使われるメディウム。粘度を調節するためにインクなどに混ぜて使います。
カウンター
counter/Contre-poinçon
文字の内側の余白のこと。oやpの内側など。カウンターがあると同じ間隔で書いても文字同士が遠くに感じやすいため、スペーシングで注意する必要がある。
ガッシュ
gouache/gouache(f.)
水彩絵の具の一種。不透明水彩ともいう。通常の水彩と比べ顔料が多く含まれる分、色がマットで透けにくい。カリグラフィーでは水に溶いてインクとして使う。
ガムアンモニアック
gum ammoniac/
gomme ammoniaque(f.)
金箔を貼るのりの一種。樹脂が原材料で、ジェッソと違い、平面的な仕上がりになる。
ギルディング
gilding/dorure(f.)
金箔や金泥など金を取り扱う技法の総称。カリグラフィーでは金箔は主にジェッソでふっくら厚みのある仕上がりにするものと、ガムアンモニアックなどで平らに仕上げる2種類がある。
グレア
glair/glaire(m.)
卵白のこと。つやを出すための釉や中世では金箔を貼るのりとして使う(ただし、接着力は弱い)。
コーラペン
cola pen/cola-pen(m.)
アルミで作るペンのこと。通常コーラなどのアルミ缶を利用して自作するため、そのように呼ばれるようになった。
キロページ
chi-rho page/page chi rho(f.)
キロ(chi-rho)とはギリシア文字ΧとΡを組み合わせてできたモノグラムで、キリストを表す符号のこと。キロページとは9世紀に作られた「ケルズの書」のうちの有名な1ページ、大きくΧΡの飾り文字があるページのこと。
ケルティックノット
celtic knot
ケルト文化でよく見られる組紐の模様。ケルトでは終わりのない、永遠の象徴とされ、たいてい切れ目のない組みひも模様で表現される。
コデックス
codex/codex(m.)
複数のページで綴じられた本のような形をとった 文書。現代では一般的に羊皮紙やパピルスなど紙以外で作られた写本を指す。
サイファー
cypher/monogramme(m.)
アルファベットを1つもしくは複数組み合わせて個人や組織などを表すシンボルの一種。モノグラムと違い、サイファーは絡めたり、アルファベットの一部分を共有する必要がない。
事務書体
documentary hand/écriture expédiée
主に契約書や証明など日常な書類を作成する際に使われる書体の総称。早く書くための工夫や特徴がある
シェルゴールド
shell gold/or en coquille
絵の具として使われ、金粉に膠などで溶かし、固めたもの。貝殻を入れ物として使われることが多いためシェルゴールドと呼ばれる。金泥ともいう。
サンダラックゴム
gum sandarac/gomme sandaraque(f.)
樹脂の粉末で、細かく砕いて紙や羊皮紙に撒き、インクのにじみを防ぐために使います。
ジェッソ
gesso/gesso(m.)
金箔を貼るのり付きの下地のこと。ジェッソで金箔を貼ると盛り上がった立体的な仕上がりになります。
ショートs
short s/s rond(m.)
普段日常で使う形のsのこと。歴史が古く、もう使わなくなった形ロングsに対してのショートs。
スタイラス
stylus
エンボスなどに使う先端が細い棒のこと。カリグラフィーでは左手で紙を汚すのを防ぐために、紙に押さえながら書くように使う。
スワッシュ
swash
文字の一部からのびる装飾的な一筆のこと。フローリッシュと違い、スワッシュは基本一画のみ、かつシンプルなもの。
ダイアパー
diaper
中世ゴシック時期の写本によくある、市松模様にひし形や花などが描かれる絵柄の一種。色は赤・青・金などがよく使われる。絵の背景として使われることが多い
スペーシング
spacing/interlettrage(m.)
文字の間の間隔、余白を指す。間隔を同じようにすることをスペーシングの調整といいます。
セリフ
serif/empattement(m.)
書体の特徴であるストロークの始まりもしくは終わりの装飾の部分。形は様々。
ディセンダー
descender/hampe(f.)
“g”、“p”、“q”のように小文字の下に突き出る部分を指す。下に突き出る部分を持つアルファベットはディセンダー文字と呼ぶ。
テンペラ
tempera/tempera(f.)
卵を顔料と混ぜて使う絵の具の一種。卵白、卵黄などさまざまなレシピや使い方がある。
羽ペン
quill/plume
鳥類の羽を削って作るペン。一般的ではガチョウや白鳥の羽が一般的ですが、ほかの鳥類の羽でも作ることが可能。ふさふさした毛のついた部分は書く際の妨げになるので、通常すべてむしり取って羽管(軸)の部分のみ使う。
ハーフアール
half r/demi r
筆記体などでよく目にするrの変形。“b”、“o”、“p”など丸い文字がrの前にくる場合に使われる。
ニブ
nib/plume(f.)
カリグラフィー用のペン先のこと。先がとがっているポインテッドとマーカーのようにある程度横幅のあるブロードの2種類に分けます。
パーチメント
parchment/parchemin(m.)
羊皮紙のこと。ヒツジやヤギ、ウシなど動物の皮を削るなどしてできる。よって羊でなくてもパーチメントとされる。古くからとても高価なものとされ、穴が開いているものをそのまま写本に使っている例も少なくない。
パピルス
papyrus/papyrus(m.)
水草の茎をスライスして貼り合わせて作る紙の一種。英語のpaperの語源でもある。織布と違って、パピルスは縦横交互ではなく、横向き繊維のものと縦向き繊維のものをのりで貼り合わせるため、片面は常に繊維が同じ向きになる。
フィリグリー
filigree/filigranes(m.)
飾り文字の周りに配置される細い装飾的な線のこと。一種の写本の装飾技法。飾り文字の一部なので、文字とは異なるペンで書く。即興で細い線でレースのような装飾をしていく。
ブックハンド
book hand
主に本を書き写すために使われた書体の総称。丁寧に書かれ、より正式とされることが多い。
フローリッシュ
flourish/arabesque(f.)
ストロークから延びるもしくは宙に浮かぶ飾りのラインのこと。文字を書くのと同じペンで書くが、文字の一部とはみなされないことも多い。フローリッシング(flourishing)ともいう。
フォリオ
folio
写本のページを数える単位。語源はラテン語で葉っぱのこと。fol.と省略されることもよくある。写本はページではなく、裏(verso)と表(recto)併せて1葉(1 folio)と数える。
ブロードペン
broad pen/plume plate(f.)
マーカーのように横幅のある、太い線が描けるペン(ニブ)のことを指す。幅ペンともいう。
ベースライン
baseline/ligne de base
文字を書く際に高さをそろえるため下の基準となる線。Xハイトの低い位置の線。
ヘアライン
hairline/délié(m.)
文字のなかで一番細い線の部分を指す。髪の毛ほどの細い線が理想とされそのように呼ばれる。カリグラフィーのほとんどの書体では細い線を出すこと を美しいとされる。
ペンマニュピレション
pen manipulation
ペンをコントロールし、線にコントラストを付ける技法のことを指す。ペンの角度や圧力を変えながら書くことで一本の線に太い部分と細い部分が生まれる。
ポインテッドペン
pointed pen/plume pointue(f.)
先の尖った、押すとペン先が開き、より太い線が描けるペン先(ニブ)のことを指す。Gペンもポインテッドの1種。
ペンアングル
nib angle/angle de plume
ペンを紙に置く際の角度です。通常大きく分けて30度と45度の2種類があります。
ボール
bowl/pense
文字の丸い形の部分を指す。ボールの部分を含む文字はボール文字と呼ぶ。
マジュスキュル
majuscule
大文字のこと。
マニュスクリプト
manuscript/manuscrit(m.)
写本のこと。主に中世ヨーロッパで手書きされた写本を指す。本来手で書かれたものであればすべてマニュスクリプトであり、本のような冊子の形でまとめられる必要はないが、日本では基本、本のかたちをしたものを指す。
ミニュスキュル
minuscule
小文字のこと。
没食子インク
iron gall ink/encre métallo-gallique(f.)
古くから使われるインク。タンニン酸から作られる黒褐色のインクで、時間と共に暗くなっていき、着色はいいが、金属などを腐食する性質を持つ。羊皮紙などにも使うことができる。古典インクやブルーブラックインクとも呼ばれる。
ミニアチュール
miniature
狭いスペースで細かく描く絵のこと。写本ではよく飾り文字の装飾として描かれる。細密画とも呼ぶ。
メノウ棒
agate burnisher/
brunissoir d’agate(m.)
金箔を磨くための道具。東洋では金箔は磨いたりしませんが、西洋では鏡のように仕上げるには磨きが不可欠。メノウ自体も割れやすいので、丁寧に取り扱う必要がある。
モノグラム
monogram/monogramme(m.)
2つ以上複数のアルファベットを重ねて1つの図案のようにデザインされたもの。通常個人や組織などを表すためのもの。狭義ではアルファベットを絡ませたり、一部分を違うアルファベットで共有する必要がある。
recto
ラインフィラー
line filler/bout-de-ligne(m.)
行をそろえるため、短くなってしまった行末に描かれる装飾。渦巻き模様や動物など描かれるものは様々で、豪華写本ではラインフィラーも細かく丁寧に描かれる。
ルーリングペン
rulling pen/Tire-ligne(m.)
まっすぐな線を引くための道具。烏口とも言う。過去では主に製図などで使用された。カリグラフィーでは線を引くだけでなく、文字を書くのにも使用することはある。
レゼボア
reservoir/réservoir(m.)
ペン先のインクをためておく場所。メーカーによってはペン先から外したり、別売りされている場合もある。
リガチャー
ligature/ligature(m.)
2つの文字がつながって、1つに合わさった文字。ドイツ語などに使われるエスツェットが典型的なリガチャー。合字とも言う。
レクト
recto
ラテン語で表のページのこと。つまり写本で向かって右側のページのこと。和綴じ本とは向きが逆のため、右側を最初に見るページとしている。省略され、書かなことも多い。
ロングs
long s/s long
古い時代によく使われていたsの変形。fに横線がないかたちをしている。過去ではlong sの方が一般的に使わ れ、語尾にのみ私たちが見慣れた通常のsを使う。数学の分野ではいまでも積分記号として使われている。


